貫井徳郎『夜想』

ミステリだけど、エンターテイメントとして読むには重すぎ。
妻子を失った男と、不思議な力を持つ少女の邂逅、そこから生まれる新たな絶望と救済の物語。

夜想

夜想

とにかく、この主人公の男が痛々しい。
事故でひとり生き残り、自分を許せず、他人を信じられず、今日に至る。
読み始めは同情していたのだが、気がつくと事情そっちのけで主人公に嫌悪感を抱くようになっていた。何度読むのやめようと思ったことか!ページを繰れば繰るほどイライラ。
その分、最後の救済が、読者を真っ暗闇から開放してくれる。効果絶大。


この少女、エアリスを思い出させるんだけど。そう思った人、誰かいないかな〜。
いや、死なないです、死にません。本当。