誉田哲也『武士道シックスティーン』

武士道シックスティーン

武士道シックスティーン

やさぐれ一匹狼少女と、のほほん能天気少女。
彼女たちが交代で物語を語る。
どちらの性格も強さもちょっとありえない。
でも、なにかに懸けようとする真っ直ぐさや、同志である友達を分かりたいと願い悩むことは、確かに誰の青春にもある。
今だって真っ直ぐでいることはできる。けれど、それはちょっと違う。
自分のポリシーとしてではなく、自分自身がそのまんま「真っ直ぐ」でいることはもうできない。
青春小説を読み終わると、本を閉じるたびに切なさで胸がいっぱいになる。
窒息しそうになっても、やっぱりまた読みたくなるんだよねぇ。


そうそう、同じ剣道が出てくる青春(?)小説としては鹿男あをによしがありますね。
青春したいなら『武士道〜』を、鹿がお好きなら『鹿男〜』をオススメします。