変な夢。

荒れ果てた大地。時折激しく吹く風が、砂塵を舞い上げている。
失踪するはネコ型ガンダムパイロットは我が先輩である。
巨大な岩の間を軽やかに駆け抜ける黄色い機体。
そこに砂嵐の中から登場したるは、赤くしなやかな何かである。
何故か知らぬが、私はエヴァ弐号機に乗り込み、猛然と先輩を追いかけているのであった。
手足をかくんかくんと動かしながら先輩に迫るのだが、なかなか追いつけない。乗り慣れていないようである。
歯がみしている我が目の前に、ウイングガンダムが空から颯爽と現れた。
「これはオレの獲物だ。おまえは引っ込んでろ」とのたまうパイロットは、我が友人であった。
私は普段非常におしとやかな乙女であるのだが、「なんですって!あたしが先に見つけたのよ!」と咆哮し、視野に入った先輩のいけ好かないイエローボディを睨む。
言い争ううち、先輩は遠くへ逃げてしまい、空を飛べるウイングガンダムは颯爽と飛び上がると、我が頭上を旋回して姿を消した。
「翼が・・・翼があれば!」
強く願えば叶うものだ。
私はふさふさの翼を生やしたタカラヅカ仕様ヱヴァ弐号機を操り、宙を駆けた。
徐々に距離を縮め、ついに弐号機は口から放射能を吐き、先輩の機体に躍りかかった。
砂で不明瞭ではあるが、手応えあり。
ひっつかみ、ひたすらぼこる。ぼこる。ぼこる。
「活動限界まで、あと1分です」
暴走したかの如くぼこる。
砂埃が舞い上がり、何も見えない。
相手が静かになった。
持ち上げると、紫色のロボット手腕であった。
呆然としていると、ウイングガンダムが頭上から言う、「初号機!」
私が掴んだ腕は初号機のものであったのだ。
「討ち取った」
初号機パイロットI嬢は唇を片方だけ曲げると、プログレッシヴナイフを振り上げた。
ざくりと一瞬時が止まる。
刹那、轟音が響き、すんでのところでウイングガンダムが弐号機を持ち上げる。
何もできずウイングにつかまる私は見た。
爆発炎上したネコ型ガンダムから、先輩がパラシュートで飛んでいくのを。
「ばいばいきーん」
初号機はゆっくりと起き上がった。
「またつまらぬものを斬ってしまった」



わけわかんねぇ!!と叫んで起きた。汗だく。
サークルで話したら、陰夢だと判断された。
最近見る夢はあほらしく楽しい。でもぐっすり寝たい。