桜庭一樹『私の男』

私の男

私の男

堕ちてしまった父と娘の物語。
深く、暗く、冷たい、けれど粘りつくような情念にぞくりとする。
傑作なのだろうけれど、重くて今まで感想書けず。
「おもしろかった!」と周りには言っているが、そうやって人に薦めるのがどこか後ろめたく感じてしまうほど、全体的に漂う罪の匂いは強烈。
私が読んできた中で、もっとも淫靡で美しい作品。