書き散らしてスッキリしてみる

corujaさんは、嫌なことやイライラすることがあるとすぐ本を読みたくなるらしい。
今日は6冊も買い込み、ただただ読み続けていた。
もやもやした掴めない絶望の積み重なりから、全てを投げ出してしまいたいと考えていたcorujaさんは、どうやら何かを悟ったらしく
「もういいっす!」
ハヤカワ文庫を片手に叫んだ。
直後、親に
「よくないっす!!」
と返され、しおしおと落ち込んだ。
うなだれたまま鳴らない携帯電話を見たcorujaさんは、
「私を癒やしてくれる人はもういないのか。哀れな。……嗚呼ガリガリ君が食べたいなぁ」
と呟くと、深夜にチャリを飛ばした。
しかし、ガリガリ君はホット○パーにはいなかった。
ガリガリ君にまで振られた!イガぐり坊主のくせに!!」
と泣きべそをかきながら家に帰り、犬氏に文句を言った。
犬氏は何も言わず、鬱々とした家族の愚痴に付き合っていた。
いささかスッキリしたcorujaさんは、犬氏にお礼を言い、わんべいをプレゼントした。
わんべいを美味しくいただいている犬氏を見ながら、corujaさんはやる気を振り絞り、苛立ちを振り払おうと躍起になった。
「生きなければ!頼れるのは自分自身とキユーピーコーワゴールドのみ!肌荒れにはチョコラBB!!」
食べ終わった犬氏は尻尾をピコピコと振って、corujaさんを見上げた。

その後、corujaさんは読書に戻った。最初に自分が思い浮かべた犯人とトリックが一致し、
作家を超えた!」
と喜んでいたが、よく考えると別訳での既読本であった。