母の話

私は小さいとき、ミッキーマウスを見るとおもらしをする子供だったらしい。
絵本のミッキーはもちろんのこと、靴下、お菓子、かばん、おもちゃ・・・とにかくミッキーと判別できるものは全て幼い私を興奮させたのである。うちのシオン(ミニチュアシュナウザー)も父が帰宅すると、車の音で判別し、玄関で出迎え、撫でられると嬉しさのあまり(おそらく畏怖ではないと思う)おもらしをしてしまう。どうやら子供も犬も同じらしい。絵本作家の津田直美さんは、犬は永遠の二歳児だと書いていたが、まさにそのとおりだと思った。成人してから初めてそんな恥ずかしい幼少時代の話をされると参ってしまう。それでも、今もミッキーマウスが好きだ。理由はわからない。キティちゃんもスヌーピーも小さいときから知っているし、今でも好きだ。しかしミッキーマウスにはまた違う感じを抱く。部屋にはミッキーと同じように様々なキャラクタたちがいるのに。不思議。