どちらが若者?

蒸し暑さに目が覚めて、起きたばかりなのに冷房のスイッチを押す。寝坊はいつものこと。そして適当な化粧もいつものこと。起きたのが遅くても、慌てて外に出ることはない。テレビの主電源を落し、全ての電球を指差して確認。サンダルを足に引っ掛け、ドアを体で押し開ける。とたんに足元から暑い空気が這い出て、体に絡みつく。誰にともなく悪態をつきながら自転車に跨る。ヘッドホンの音は大きめに、切り替えは重ために、ペダルをこぐ。どんなに暑くても車が通らない道の真ん中を走るのは気持ちが良い。お気に入りの一曲を繰り返し再生し、口ずさみながら近道へ入る。塀の上でのびている茶色のネコに指で狙い撃ち。無反応のケモノに満足。ラストスパートの一本道はロックを背景に突っ切る。好きなフレーズを口ずさんで寝坊を忘れる。
そのとき、突然聞き覚えのある音楽が大音量で鳴り響き、驚いてブレーキをかけた。そう、今は6時30分・・・8月の。ラジオ体操だ。小学生の頃を思い出し、懐かしさに思わず頬を緩めた。

と・こ・ろ・が、私の目の前に広がる光景は、懐かしさもへったくれもないものであった。なんとラジカセの前に集まるのは30人程の御老人。全員この暑い中、長袖のジャージを着て整列している。唖然として駅前広場を見ている私を尻目に、ラジオ体操第一からしゃきしゃきと行うおじいちゃんたち。笑顔で汗を流す若さ溢れる皆様に、もはや感動を覚えた。
だらだらと夏休みを過ごす若者よ!彼らを見習え!!
おじいちゃんたちのラジオ体操を、新宿のフラッグスと渋谷のキューフロントで放映することを提案する。
東京都さん、いかが??