オヤヂと怪奇と勝負パンツ

部屋の片づけを放り投げ、ヨーカドーへ繰り出す。台風が来ているらしいが、まだ曇り。
いろいろ備えておかなければいけないだろうけど、今日は今日、明日は明日(この精神が様々な悲劇を生んだことは言うまでもない)。


本屋へ向かう途中、友人のウサちゃん(仮名)が仕事をしている姿を目撃。そこで、私は立ち読みしながら彼女にメール。どうやら暇らしい、メールが勤務中なのに返ってきた。夜は彼女の職場で食べることに決め、フードコートで読書にひたる。

エサは『ドグラマグラ』である。一度手を出したが、挫折。スカラカ、チャカポコ。

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

↑すっごい表紙だよね。上巻と下巻どちらがお好み?ってそんなことどーでも良いね。電車の中で広げたら犯罪。いったい誰が描いたんだよ〜ふぅん米倉斉加年さんか。あれ!?米倉さんって国語の教科書に文書掲載されてた・・・アッチョンブリケ!うぅむ、エロも文化なのね。
表紙に関してはまだ驚きがあった。上巻を買ったときのこと。いつもカバーを掛けるか否か聞いてくれる店員さんが、何も言わずさっさとカバーを掛け始めたのである。気のせいか他の本より手荒く扱ってないか?知らない人には官能小説に見えるのでしょうなぁ。
カバーを掛けたままで、バトル開始。相変わらずわかりません。ダメかも。とりあえず理解不明なまま読み進めるチャカポコ。このままキ●ガイ文学とcorujaの脳髄の戦いは4時間ほど続いた。辛かった。本格探偵小説らしいけど、どこがなのかさっぱり。雲を掴む感じ。慣れない単語の応酬にも辟易してしまう。これは私に課せられた使命なのね!と自分に言い聞かせる。負けないわのよ。


ウサちゃんの店で一人ディナー。サラサラのカルボナーラを食す。私はカルボナーラが好きなのだが、コッテリは苦手。ザ・玉子!ってのはどうもねぇ。オムライスと同量の玉子使ってません?って思う。玉子料理は玉子料理なのだ。カルボナーラはパスタである。

そうだ、一応言わせていただくと、私はバイト中の友達を訪ねないようにしている。仕事時は誰もが違う人を演じているものだ。私自身もそうである。別人を演じている時に日常の友達に見られるのは、あまり気分の良いものではないだろう。良い気遣いじゃないですか〜。普段から身近な場所で働いている人の場合、見られることは承知の上だと思うので、あえて顔を拝見しに行く。邪魔しない程度にね。

カルボナーラを平らげた私は、ありがたやウサちゃんのご好意で紅茶を頂く。彼女のエプロン姿はかわゆい。見とれていては失礼なので、紅茶をお供に優雅にチャカポコしようかな、と続きを読むことにする。ボエオ〜(法螺貝)。
どこから読んだかわからん・・・と敗北の兆しが見え始めた私。その間、隣の席に母娘2組が一緒に座った。正木氏に翻弄される私に構わず、おしゃべりを始める高校生くらいの女の子たち。
「男の勝負パンツが売ってたのぉ〜」何っ!お嬢さん何を言い出すんだー!突然の恐ろしい台詞の襲撃は萎えてる脳髄にクリティカルヒット。まさにキャンセル攻撃(『グランディア3』参照)。
「ぐぇっ」と大きな音がして見てみると真っ赤な顔のオヤヂが端に座っていた。ビールを2瓶空け、ゲップをしながらウサちゃんを誘惑。苦笑いのウサちゃん。
憔悴した私は店を出てフードコートに戻った。

なんとか上巻は読みきれた。はぁ。