通学サヴダージ

私は女性なので、朝は女性専用車両に乗るようにしている。
「オネエさん達、匂いすごいんだよねぇ。私のように臭いに敏感な子は死んじゃうってば。常にぎゅうぎゅうだしね。それに一斉に化粧を始めるのも止めてくれよぅ。座っているお姉さんのほとんどがコンパクトを開いてるし。女子高ってこんな感じなんかな・・・。」と乗るたびに思う。うんざり。
それでも乗るのは、小さい頃を思い出すからだ。ここの匂いはバレエ教室の控え室を思い出させる。高校生の輪に入れてもらうときの胸の高鳴りや、自分にはない女性らしい動きのある踊りを見るときの憧れも一緒に。
こんなことで切なくなるなんて、私は実年齢よりも歳を取ってしまっているのかもしれない。