愛さえあれば(母と娘の不毛な会話シリーズ2)

なんでもできるものだろうか。
私はセロリが嫌いだ。鼻を抜けていく独特のあの臭い!火が通っていれば平気なのだが、生で出されるとどうしようもない。小さいときから食べられない。ナスは克服したのに。

「大人になれば食べられるようになるって言ってたよね」
「そうねぇ。どうしてかしら?」
「作ってくれた料理に入れてなかったから?」
「あらぁ嫌だ。ちゃんと入れてたわよ」
「・・・全然知らないよ」
「刻んだり、火を通して小さくしたり」
「えぇ!?」
「ふふふ。母さんはそのままで食べていたけれどね」
「おおお・・・母の愛だねぇ」
「なのに、あんたは食べられない」
「臭いがなんとかなればなぁ。いずれはきっと克服するさ」
「母さんなんて、セロリを入れたお風呂に入れるわっ!」
「・・・?」
「だからぁ、臭いがいいのよぅ」
「つまりは、入浴剤になったら買うってことか?」
「そうよぉ」

ここまで好きだとは知らなかった。本当に入れてみたのかは怖くて聞いていない。