癒しの旅(後編)

おためし鳥

品川でイルカに触った後、池袋へ。

サンシャインシティ方面へ歩いていると、ゲーセンが立ち並ぶ界隈に到着。
そこで巨大おためし鳥を発見。
係の人が500円で5回プレイさせてくれると言うので、早速捕獲にかかる。背後にギャラリーが出来た。私、なんと2羽もゲットしたのである。よくある事だが、係の人が取りやすい位置に置いてくれたからだ。上手いわけじゃない。そんな事情を知らないギャラリーは、カメラを構え、日本語ではない言語で私を大いに褒め称えた。何と返してよいか分からないので、「さんきゅー」と言いながらそそくさと鳥を抱えて逃げた。彼らは「オタクを見てきた!」とでも国に帰ったら言うんだろう。

目的地、池袋ナンジャタウンに着いた。
もちろんアイスクリームとギョウザを食べるため。

到着早々、アイスクリーム売り場へ向かう。
私はパリパリのクレープに包まれたソフトクリームを選び、アリス嬢は大理石の上で作られたジェラートを買った。以前は、秋刀魚アイスや山葵アイスといったゲテモノによく挑戦していたが、そんな冒険心は今はもうない。
「もうお腹が膨れちゃったよ」
「前はもっと食べられたよね」
「・・・老けたねえ」
しんみりとした面持ちで、甘ったるい匂いのエリアを後にした。

新しくオープンした占いのエリアへ。
ここでは様々な占い師のブースがあるのだが、本人がいるわけではない。ゲームのような感覚で、データを入力して占う。占いなんかに出すお金はない、と思っている私だが、興味はないわけではない。
「乙女ですから、占いにはとおっても興味があってよ!」
新宿の母のブースがあるみたいだね」
というわけで、新宿の母のブースへ向かった。しかし、あったのはカップルだらけの蛇状2列縦隊。
新宿の母に相性占ってもらうのかよ。悪い結果だったらどうするんだ」
「関係ないでしょ。私だって占ってもらいたいもん」
「長時間待ってまで、占ってほしいことってある?」
「・・・ギョウザ食べよう」
さっさと引き返した。

ギョウザたるもの、中はジューシーで、外はパリパリでなければならない!というギョウザ感の元、一番理想に近いギョウザ屋を探した。
流行の味はあっさりとしたもののようで、酢だけで食べるものや、厚手の皮のものが多かった。残念。おいしかったけれど、少し物足りなかった。

マッサージ店の並ぶエリアへ行った。
20分ぐらいなら1500円ほどで、どこの店でもお試しコースが楽しめる。今回は、ハワイのロミロミという方法を使うお店に入った。アロハシャツを着たお姉さんに、頭から肩にかけてのマッサージをお願いする。黙々と私の体を揉むお姉さん。終始無言。私は美容院でやたらと話しかけてくる人はどうも苦手なので、沈黙大歓迎。一方、アリス嬢はおしゃべりなお兄さんに当たり、「お仕事はなんですか?」から始まる一連の会話を20分続けていた。どこがロミロミなのか全く分からず、てもみんと変わりなかったが、気持ちは良かったらしく私は開始5分で爆睡。マッサージされたのかどうかも定かではない気分で、15分後に起こされた。
地元のベテラン鍼師のおっちゃんに「どーしよーもないね、こりゃ」と言わしめた我が五十肩は、やはり強靭だったようで、全く肩には効果がなかった。頭はスッキリしたので、首から上には効果覿面だったが。
足ツボの店や、インド式の店など、まだまだやってみたい。本格的にやるとかなりのお値段な上、疲れることなど何もしていない怠惰な私には、リフレクソロジーなんてまだまだ早いようだ。

日も落ちたので、プリンを買い、帰宅。


少し足を伸ばせば色々な体験ができる都会、退屈なんかいくらでも吹っ飛ばせる。お金さえあれば。